影絵の作品を作るようになってから
どうしても行きたい場所がありました。
私の影絵の師匠「藤城清治」さんの影絵の森美術館です。
92年にオープン。昇仙峡の山あいの美術館で、2年後、世界一の影絵美術館としてギネスブックに登録されたそうです。
念願かなって、家族で行ってきました。車で4時間ぐらいでしょうか。
浜松から東名を清水で降りて、国道52号線を北上。それから、県道5号線に入り、次に県道の25号線を北上。
甲府の隣の竜王町の駅の横をすり抜け、そこから県道7号線沿いに走ると昇仙峡につきます。
中央自動車道を使う場合は、甲府昭和で降りると便利だそうです。
つづら折りの山道を抜けると有りました。お目当ての美術館。
思っていたより小さい感じがしましたが、そう言えば展示室は地下でした。
藤城さんご自身で設計をなさったということで、作者の思いも建物からくみ取れます。
チケットを切ってもらうと暗闇と導かれます。
一緒にいった子どもが少し怯えてしまいましたが、それもつかの間。
藤城さんの作品が見えると、親以上に楽しんでいました。
一言で言えば「幻想的」
美術館数有れど、こんなロマンチックなところはないのではないでしょうか。
デートに最適。されど子連れ、みたいな…
藤城さんの作品120点が並んでいます。
どれも、これも見たことのある作品ではありましたが、
やはりほんものは違う表情をみせます。
花の上で小人が楽器を演奏する「コスモスとこびと」や、らくだを描いた「月の砂漠」。壁一面を覆う「天をかける牛」。
「月光の響き」「地球讃歌」などは作品の手前が水、両横が鏡となっており、覗き込むと自分自身も影絵の世界へと誘われます。
ほんと、不思議な感覚で忘れられません。
「夏・魚しました」は子どもの興奮、マックス。私が藤城さんの原画をコピーして影絵を作っていたものですから
「おかあさんの影絵!!」と騒いでました。藤城さん、ごめんなさい。
「藤城清治影絵の世界」という影絵の技法を教えている本に、
切り落とすことよりも、それを気にしてラインが死んでしまうことを気をつけなさい
みたいなことが書いてあったと思うのですが
実際、目にして思ったのは、藤城さんの言われている通りラインが生きていました。
スパッと切ってありました。思っていた以上です。
やはり、原画は語るです。
第一展示室を抜けると第二展示室。
日本のゴッホの山下清。
平成の山下清と並び称される安井康二。
漫才師うつみけいこの「どどいつ絵画展」
一回で2度3度、楽しめるようになっています。
今年は妖怪作家の「水木しげるの版画展」も見る事が出来るようです。
ミュージアムショップ、影絵サロン(喫茶)と続きます。
影絵サロンの壁面には写真撮影可能な藤城さんの作品が展示されています。
ボードの向こうからライティングしていますので、紙の作品ではありませんがそれはそれで楽しめます。
繊細で緻密な作品群に癒され、ミュージアムショップで、お気に入りの一品を購入し、ゆっくりお茶します。
作品を見終わっても、すぐに現実に引き戻されないよう残存効果十分で、藤城さんのアプローチは成功しています。
また、行きたいと思わせる藤城マジックに魅せられた時間であったと思います。
最後にこんな逸話を…
平賀さんが藤城さんと出会ったのは大学生の頃。たまたま1度、愛犬の散歩をアルバイトで手伝った。
「先生が売れたら、ぼくが山梨に美術館を造ってやるよ」。給料をもらった日、別れ際に伝えた。
やがて藤城さんの影絵は雑誌や新聞、テレビのコマーシャルでおなじみに。
30年後、「約束」は現実になった。