神沢利子

福岡県生まれ。北海道、サハリンで幼少期を過ごす。文化学院大学文学部卒業。詩、童謡、童話の創作に長年活躍し、数々の賞を受賞している。 
「書くことと生きること」 2005年6月16日 講演会より

神沢さんにとって、演題のこの2つ言葉は、同時進行であったのではないでしょうか?

結核という病と戦いながら、生きるということは 

戦争という時代に育った人々の、生き方の象徴にも感じられるものでした。

「この時代に生きるということは、いつも死の影を意識していました。」

神沢さんの作品に感じる「生と死」とは、私たち世代の想像しうる、それ以上のものであることはまちがいありません。


病と時代背景そして忘れてはならない樺太(サハリン)での生活。

目に浮かぶような樺太の描写の連続でした。

トド松、エド松、ホロナイ川そして木陰から現れるトナカイ!!

季節が替わり、移り行く自然に「何をかくしているの?」と思い、いつも目をこらしていたそうです。

滅びと再生を目の当たりにした子ども時代。神沢さんの原風景はここだったのです。

「川の源も見えず、果てもみえず、目の前の川は途中」

作品を書き続けた神沢さんの心には、この川がいつも流れていたことを感じました。

北海道での講演会の時、まどみちおさんの詩集をも手掛けた編集者の伊藤英治さんにこういわれたそうです。

「いぬいとみこさんや佐藤さとるさんは原書を読んでいたはず。でも、神沢さんは、何もないですねぇ~。」

大地のエネルギーをそのまま文章にしている神沢さんならではのエピソード。

ものすごくうれしかったと笑いながらお話する神沢さん、少女のようでした。

オリジナリティーが問われる作家ですから、それはほんとにうれしい賞賛の言葉に聞こえたのでしょう。

「おろかということも、いいことはあるのねぇ~」

会場は大爆笑でした。



ちびっこカムのぼうけん

ご主人が、結核で入院中で、2人のお子さんとともに間借りの生活、

給食代も払えず、身を細くして生きてるのか、いないのかわからない時に「ちびっ子カムのぼうけん」の執筆。

カムとともに空、山をかけめぐり、「がっかりなんかしていられない!」と、自分で元気をもらっていた。

イノチノクサは病床の自分のためだったのかもと。

神沢さんの思い入れの深い一作のようでした。

病のため自分の子どもともあまり接することができなかったようで、作品の中に出てくる登場人物のモデルは、

自分の子どもでもなければ他の子どもでもなく、

神沢さんご自身の中の、7才や10才の子どもであったと語っていました。

それが素直にうなずけてしまうほどの瑞々しい方で、御年81才にはびっくりでした。

こんな風に年を重ねたいと、みなさん思ったことでしょう。

「子どもに何かを教えようなどとは思っていない。自分が楽しい。こっちにおいで。こっちに楽しい世界があるよ。」

「子どもを揺さぶりたくて、書いたの」

「無意識のうちに書いたものに、この世のすべての物、森羅万象が入っていた。」

「命のほのおを燃え立たせるような、そんな風の一つになりたい。」

言葉の宝石が散りばめられ、まさに「言霊」。「書くことと生きること」は「書くこととは生きること」

だったのです。

神沢利子さんの81年を、少しだけのぞかせていただいた、あっという間の2時間でした。


ふらいぱんじいさん

神沢利子さんの作品紹介
書籍名 著者名
ゴリラのりらちゃん 神沢利子/作 あべ弘士/絵
もくちゃんもこちゃんのはじめてのようちえん 神沢利子/作 多田ヒロシ/絵
いってらっしゃーいいってきまーす 神沢利子/作 林 明子/絵
くま一ひきぶんはねずみ百ぴきぶんか 神沢利子/作 井上洋介/絵
おかあさんおめでとう 神沢利子/作 井上洋介/絵
ウーフはおしっこできるか?? 神沢利子/作 井上洋介/絵
コッコさんとバースデーケーキ 神沢利子/脚本 垂石真子/絵
いちごつみ 神沢利子/文 平山英三/絵
ちいさなきのねがいごと 神沢利子/作 エリック・バティ/絵 
うりこひめ ぬかふくとこめふく 神沢利子/作 渡辺三郎/絵
鹿よおれの兄弟よ 神沢利子/作 G.D.パヴリーシン/絵
天の橋がゆく 神沢利子/作 
まおちゃんのうまれたひ 神沢利子/作 加藤チャコ/絵
銀のほのおの国 神沢利子/作 堀内誠一/絵
さようならぼくのこりす 神沢利子/文 フルビオ・テスタ/作+絵
流れのほとり 神沢利子/作 瀬川康男/絵
大きなけやき 神沢利子/作 白根美代子/絵
こんにちはウーフ 神沢利子/作 井上洋介/絵
くまの子ウーフ 神沢利子/作 井上洋介/絵
ウーフとツネタとミミちゃんと 神沢利子/作 井上洋介/絵
いいことってどんなこと 神沢利子/作 片山健/絵 
ウーフはなんにもなれないか? 神沢利子
なあくんとちいさなヨット 神沢利子
おばあさんになるなんて 神沢利子
さるとかに 神沢利子
ちびっこカムのぼうけん 神沢利子
もりへいったすとーぶ 神沢利子
だれかがぱいをたべにきた 神沢利子
まこちゃんともりのおくりもの 神沢利子
いないいないばあや 神沢利子
ゆうえんちにいったまいちゃん 神沢利子
タランの白鳥 神沢利子
おっとせいおんど 神沢利子
くまのこまこちゃん 神沢利子
いちごがうれた 神沢利子
やさい町どんどん 神沢利子
てんのくぎをうちにいったはりっこ 神沢利子
となりのモリタ 神沢利子
うさぎのたまごは夕やけいろ 神沢利子
もしも・・・ 神沢利子
とっくたっくとっくたっく 神沢利子
あひるさんのぼうし 神沢利子
ねてるのだあれ 神沢利子
つかまらないつかまらない 神沢利子
まいちゃんのいちにち 神沢利子
しまふくろう 神沢利子
えぞまつ うけつがれているいのちのひみつ 神沢利子
ぼくのばん わたしのばん 神沢利子
おめでとうがいっぱい 神沢利子
ねこちゃん 神沢利子
おやすみなさいまたあした 神沢利子
うさぎのモコ 神沢利子
フライパンが空をとんだ 神沢利子
けちんぼおおかみ 神沢利子
あらどこだ 神沢利子
くまの子ウーフミミちゃんのみみ 神沢利子
ふらいぱんじいさん 神沢利子
おかあさんありがとう 神沢利子
くまさんにあげる 神沢利子
むかしむかし おばあちゃんは 神沢利子
もじゃもじゃあたまのナナちゃん 神沢利子
ぽとんぽとんはなんのおと 神沢利子
かなちゃん ゆーらり ゆーらりこ 神沢利子
ぴかぴかのウーフ 神沢利子
ウーフはあかちゃんをみつけたよ 神沢利子
うさぎのギイ 神沢利子
いたずらラッコとおなべのほし 神沢利子
ねずみのすもう 神沢利子
うすむらさきの花の下は? 神沢利子
ゆうくんとぼおし 神沢利子
タンタとペタコと海のともだち 神沢利子
てんぐだいこ 神沢利子
かえるのグルちゃん 神沢利子
おうちへお帰りオオカミちゃん 神沢利子
ねこのかいぎ 神沢利子
とんでいったおなべ 神沢利子
むぎわらのうた 神沢利子
あひるさんのぼうし 神沢利子
おきゃくは だあれ 神沢利子
お日さま はだかんぼ 神沢利子
とんでった とんでった 神沢利子
そりにのって 神沢利子
あなじゃくしのおたまちゃん 神沢利子
十二のつきのうた 神沢利子
ゆきがくる? 神沢利子
のはらの ひなまつり 神沢利子
いちごつみ 神沢利子
お月さんはきつねがすき? 神沢利子
お月さん船でおでかけなされ 神沢利子
ぶつぶついうのだあれ 神沢利子
大きなけやき 神沢利子
おいしいよ 神沢利子
ちびのめんどり 神沢利子
あひるのバーバちゃん 神沢利子
ヌーチェのぼうけん 神沢利子
さかなにはなぜしたがない 神沢利子
おかあさん おめでとう 神沢利子
林檎の木のうた 神沢利子
みるくぱんぼうや 神沢利子
うみからきた子 神沢利子
いないいないの国へ 神沢利子
おばあさんのすぷーん 神沢利子
いないいないばあや 神沢利子
いたずらラッコのロッコ 神沢利子
ぼうし ぼうし ぼうし 神沢利子
こねこのルナ 神沢利子
うさぎのモコ 神沢利子
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