絵本会の重鎮、あの元永定正さんの講演会です。
「もこもこもこ」「もけらもけら」何回読んだ?読まされたでしょう。
その元永さんです。
緊張と興奮で、私ばかりか会場の空気も舞い上がって感じました。
あぁ~、あちらにいらっしゃる。お顔を拝見するのは初めて。背が高くてスラッとなさって品があるわぁ~。
と、話し始めて…
えっ?大阪弁?
大正11年生まれ。「同窓会行ったら、戦争と年で私だけ。かないまへんわ~」(大爆笑)
そんな調子で始終笑いをとっての講演会。サービス精神旺盛と言うより、元永さんのお人柄でしょう。
ご自身も楽しそうにお話なさっているのが印象的でした。
小学生の時「人間やったら何する?」と思ったそうです。好きなことがいい、と言うことで映画俳優か演歌歌手。
お母さんに「なんやそれ、極道商売ばっかり」と怒られ、結局商業学校へ。そろばんは初段、柔道2段の腕前だそうです。
で、いまのJRに就職。京都駅のプラットホームの雑巾がけをしたことも。今も京都駅に行かれると何処だったかと探されるとか。
その後、大阪駅の案内係に。腕章をとって映画を見に行ったりもしたそうです。マイクパフォーマンスなんかやってくれました。会場大爆笑!!
当時は漫画家をめざしていたようです。
西宮で荷物係を、漫画のことを考えながらやったり、踏切番はさすがにそんなことは出来ず、結局退職なさったそうです。
その後は仕事を転々となさって、元永さん曰く「絵かきになってしもた~」(笑)
前衛美術のリーダーとして知られた吉原治良さんとの出会いが元永さんの人生を変えたといっても過言ではないのでしょうか。
この頃から新聞の取材をうけたり、賞をとったりして今の元永さんのベースとなるものがあらわれてきたようです。
スライドで元永さんの作品を見せていただいたのですが、
あちらこちらに、ころころやもこもこ、もけらもけらがいて楽しかったです。(私は子どもか?)
「絵は上手、下手は関係ない。エエか悪いか、それを忘れたらいかん。」
「我流が一流。シャガールはシャガール。モンドリアンはモンドリアン。みんな我流。」
「天才とは好きなことを続けること」
そして「抽象画は心を表現している!」
抽象画、大好きな私は大きくうなずいてしまいました。
最後に映画俳優になりたかった自分は映画「利休」で三国連太郎さんと共演できたんだとそれは嬉しそうにお話ししていました。
いつまでも、夢を追い続けることを教えていただき、元気をもらった講演会でした。
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