清水真砂子

子どもの本とは何か

ゲド戦記
清水真砂子さんと語り合う会「心に残ることば」 2005年9月27日より
掛川図書館

傑作ファンタジーの一つ「ゲド戦記」の訳者、清水真砂子さんとお話ができるということで掛川図書館に行ってきました。

掛川城に行くたび入ってみたいと思っていた図書館です。こんな形で実現するなんて思ってもいませんでした。

ついでなので取材してきました。

木のかおり漂う館内に入ると地下の会議室へと続く階段。車いす用のエレベーターも完備。

そして1階は、正面がすぐ児童閲覧室。その中に円形デザインのこどもたちの部屋が有ります。

作家名での分類は分かりやすかったです。子どもが自分で探せそう。

大人の閲覧室とは廊下で離れています。ここにはたたみコーナーもあり、リラックスできます。

もちろん、AV・パソコンコーナー有り。

地下の会議室前には、飲食可能な休憩ラウンジ。4人掛け6テーブル。

外観は掛川城下の雰囲気を壊さないデザイン。

テーマは「くつろぎ」でしょうか。



語り合う会

「語り合う会」は地下の会議室。

円形にテーブルを配置。真ん中には、假屋崎省吾ばりのお花。

う~ン緊張する。

いつもはお話をうかがうことに集中でしたが今回は参加型。

結果を先にお話すると、落ち込んで帰ってきました。

当たり前ですよね。

あの、清水さんと語り合うなんていう会に集まる方たちですもの、みなさん話上手です。

話べたの私は、言いたいこと半分も言えず…

でも、清水さんのお人柄や、皆さんのお話思い出していたら、やっぱり行って良かったと浮上しました。

昨年に引き続き、2回目の会だそうで、清水さんが憶えている方もチラホラ。

今回は、25人程の参加者です。

みなさんの「こころに残る言葉」を中心に話が進められていきます。


心に残る言葉

ダイジェストでご紹介します。

1、「お喜びはいつでしたか?」

「(こどもが)いつうまれたの?」よりいい言葉。25年生きていて初めて聞いた。

2、「学問は荷にならぬ」

50歳の時に出会った先生にこう言われ96歳の今でも学ぶことに前向きなおばあちゃま。

3、「日にち薬」

子育てでも、何でも、大変なこと辛いこと、『日(時間)」が解決する。

4、「たくさん苦労した分、思い出も増える」

この方のおばあちゃんに、子育てのことや日常のこと、いろいろ愚痴をこぼすと、「人生は楽しいことはすぐ忘れてしまうがつらいことは、思い出されて、いい思い出になっているよ。」と。 

5、「どんなに小さくても、自分とはちがう人間だと思って接していけばいい。」

この方が出産直後にお母さんに「どうやって育てたらいい?」と尋ね、この答え。

6、人間長く生きていると、あくやしみがついてくる。でも、それをあくや、しみにしてしまうのはその人自身。

この方の意見は、「変わらなくても良い。それがあくやしみにならないようにしたらいい」

この言葉についてはいろんな意見がでました。

「変わらなくてもいいと言うが、それでいいのか?」

「ごぼうもレンコンのあくも私はとらない。取らなくてもいいと思っている」とか

「それは、人生の『味』なのではないか」(これ、私の発言)

「しわやシミのある自分が好き」

ディスカッション状態でした。

7、「心の引き出し」

中身も重要だけれども、建付けも重要。

8、「この世で絶対とは、死ぬことだけだ」

この方のおばあちゃんの言葉。

9、「心配とは、心配りと書く」「辛かったら帰ってくればいい」

ともに、結婚式の当日にお父さんに言われた言葉。

10、「人間のとなりには人間がいる」

「人間の条件」の主人公が行った言葉。

11、「私はレディー」

「小公女」の言葉

12、「観念で現実を踏みにじるな」

観念だけで生きているような自分には刺激的は言葉、だそうです。

13、「これからの人生、常識ではなく良識を持って生きなさい」

小学校の卒業式に校長先生から贈られた言葉です。

戦争が常識であった時もある。そんな時でさえも良識ある人はいた。

よく、思い出す言葉です。

そう、これは私の「こころに残る言葉」です。


それから、清水さんの「心に残る言葉」です。

言葉というのは、人間をしばる言葉と、解放、自由にさせてくれる言葉がある、そう前置きして

お話が始まりました。

阪神大震災の時、大変なショックを受けたのだそうです。

この自然災害に、文学は何ができる?何もできない。そして、呆然としてしまった。

その時に、良寛の言葉に出会います。

「死ぬ時は死ぬるがよろしく候」

あぁ~、これで生きていけると思ったそうです。

生きる覚悟を決めさせた言葉だそうです。


ご主人が中心になった平和運動のため、プリンストン大学から著名な物理学者をお呼びした。

謝礼ゼロなのに、大変なスケジュール。清水さんはほんとうに申し訳なくてお詫びした。

その時に「It's my choice」「私が選択したこと」

それから、清水さんも人が気遣ってくれた時にはこの言葉を使うそう。

自分も相手も解放する言葉。


ロンドンの80歳になられる化学者の甥っ子が2人、日本に行くことが決まる。

その時に清水さんに言われた言葉。

「あれたちにいい質問ができるといいんですが」

オーストラリアの記者が言った言葉に通じる。

「知的とは、知識があることでも、教養があることでも、情報を持っているということでもない。

どういう問いを発せられるか、ということ。」

こんどは、メルボルンに住む清水さんのご友人。

「いいお母さんになろうと努力するあまり、

いいお母さんでいる時間をなくしている人が大勢いる」


「夜と霧」をかいたフランクルの言葉

「大事なのは人生に何を期待するのではなく、

人生が何を自分に期待するかどうか」

アウシュビッツで生き延びた後のスピーチだそうです。

非常に重要な問いかけ。

「それでも人生にYesという」という本の中に書いてあるそうです。


なぞなぞ

フィンランドのなぞなぞ

「一人で持つと持てなくて

三人で持つとぶっそうでで

二人で持つのがちょうどいいものな~に?」

なぞなぞはいろんなことを定義しているのでオッと思うものがたくさんある。

「心に残る言葉」たくさん有りすぎて選べなかったという私の言葉を受けて

今日の会がことばを選ぶきっかけになればうれしいとおっしゃっていました。

え?なぞなぞの答え?

それは秘密です。

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