読み聞かせ 
 読み聞かせボランティア養成講座 第8回 2005年11月2日

今日のひと言は、自分に!

「やりすぎない!テンション上げすぎない!」

今回も、先週に引き続き、実習です。

1番「おどりとら」7分

島田・高瀬チェック
・持ち方、体からの離し、高さ加減、良かった。
・声も良くでていて聞きやすい。
・場面の切り替わり、字とセリフの区別も分かりやすい。
・一番気になったのは、「お祈りすると~↑」と上がりがちに流れる。
語尾が流れるのは聞いていて気になる。
せっかく、声もでているのに。
最初は聞きやすかったので、たぶん意識している?直されているのかな、と思う。
・たてにするところも、高めにしてOK!
・緊迫感の有るところをもう少しテンポアップすればちょうど良くなる。
・7,43秒

2番「さんねん峠」7分

・身長の関係なので、1番の方よりは見にくいが、真横に出していたので、OK。
・本が向こう側に下がりやすい。
・声が弱め。今日はまだいいが、大勢の時はもう少し、力強く。
・単語が聞き取りにくい。
・ていねいに読んでいた。
・リズミカルな歌ー(最初に出てきた歌の方)文ともう少し区別する。
・長めの話なので、一本調子ではなく、メリハリをつけるといい。
・緊迫感のあるところは、たたみかけるように、テンポアップするといい。
・全体として聞き取りやすいが計って見ると遅い。
・7,43秒
・お話の自分自身の受け取りは良くできている。
・昔話なのでもう少し力強さがでると良かった。

3番「だいくとおにろく」

・「昔話 だいくとおにろく」ではなく、昔話と言うのであれば
「日本の昔話 だいくとおにろく」と言う。
・子守歌の中に一回だけ名前が入ってくるので「おにろく」と聞こえるように言う。
・フレーズが切れないでいいところで切れている。
・「おにろくー」と叫ぶところを「お・に・ろ・くー」としているが
間延びさせないでストレートに呼んだ方がいいと思う。
・「はし」「かける」アクセントが変わるのは良くない。
同じアクセントは同じように読む。

4番「ぼくはぞうだ」4分

・持ち方は安定していた。
・声が弱め。弱すぎるとただの「ぞうの愚痴」に聞こえるので、メリハリは必要。
・フレーズが切らなくても良いところで、切っているが気になる。
「しゃしんになったぼくも」と一気に読めるところを「しゃしんになった ぼくも」と切っている。
・26ページは普通に読んでも見えにくいので、暗記するほど読み込む。
・タイトルはしっかり読む。
・3,42秒

5番「めっきらもっきらどおんどん」6分

・持ち方、めくり方、きれい。
・絵本の、体からの離し方も、まっすぐで、持ち手で絵を隠しやすいのだが、きれいに持っていた。
たてにするのもきれいだった。お手本になる持ち方。
・おだやかで、聞き取りやすい声。
・やりすぎがちで、読み手が全面に出てきやすい本だが、やりすぎず、全面に出すぎず
抑制をきかせていて良かった。
・クライマックスでテンポの工夫があったので、緊張感がとてもでて、自然に楽しむことができた。
・早さも、ゆっくりめでちょうど良かったし、クライマックスでテンポアップしたので、まのびしなかった。
・6,05秒
・「めっきらもっきらどおんどん」を選ぶ人は、みな上手。

6番「ぐるんぱのようちえん」7分

・持ち方、安定していた。
・声は、少し聞き取りにくかった。みんなの方に声を出す感じで!
声の出し方は、訓練が必要。弱かった。
・この本を明るくかわいく読む人が多いが、主人公にとっては、試練の連続。
どうなるの?どうなるの?と子どもたちは心配しながら聞いている。
はりきるところとがっかりするところのメリハリをつけた方が、良かった。
・表題紙に敢えて「これはぐるんぱがかいた字です。」と書いてある。
子どもは字は読もうとしないので、この字を絵として見せたいという作者の意図がある。
普通の表題紙のようにサラッと言ってもいいが、指をさすことで、意識を持っていってやってもいい。
ぐるんぱが登場する前に書いてあるということは、作者が敢えてここで聞き手に、ぐるんぱとはどういうものか
意識させたかったのではないか?
絵として子どもに意識させる。読まない人もいる。

7番「めっきらもっきらどおんどん」6分

・もう少し体から本を離すと見やすくなる。たてにするのはスムースだった。
・声は大きな会場でも大勢でもOK.
・自分の中にあせりがあると早めに聞こえる。
・最後、絵本の揺れが気になる。最後まで裏表紙をしっかり見せる。
・「めっきらもっきらどおんどん」は何人もいるので気分的にあせる。
つまずきがあったが、落ち着いてやれば大丈夫。

8番「わたしのワンピース」3分

・持ち方が意識して上に持っていて見やすかった。
・声も優しい声で高めだが、よく聞き取りやすかった。
・この本は難しくって、職員の中でも敬遠されがち。
ラララン、ロロロン、が自分なりのリズムを見つけて、ほんとうに気持ち良く楽しく読むまでには時間がかかる。
ワンピースの模様が変わっていくのは子どもたちには、新鮮な驚きようで、目をみはってみる。
子どもたちに投げかけなくてもいいが(読み手の顔を見てしまう)、自信をもって「私似合うかしら?」と読む。
「にあう~!」と声がかかり、楽しめる本。
・全体的にテンポアップした方がいい。
・3,37秒
・「おひさま、おはよう」は明るさも出て良かった。
・絵だけの時の「間」もとれていた。
・首はあまり動かさない。小さい子対象だか、さほど確認しなくてもいいと思うので。

9番「めっきらもっきらどおんどん」6分

・持ち方、見やすくてきれい。
・題と本文の間をあける。流れない。
全体的に早さはちょうどいい、早さは本文中で緩急をつける。
・この本のおばけが出てくる雰囲気にとても似合っている声。
・6,09秒

10番「ぼくのいまいるところ」6分

・持ち方、上を持っているが慣れているのでいい?ただ、本が落ちないか気になる。
・声が高め、後ろの方まで聞こえた。
・言葉の一つ、一つがよく分かった。
・子どもたちが、壮大さを感じ取れる本なので、あまり日常的な読みでない方がいい。
この本は、自分の中では、低めの声があっている。
・専門的な言葉の前の「間」は良かった。
・最後の長めの文はスラスラ読むと流れてしまうが、よくできていた。
・開きずらそうなページがあったので、開きグセをしっかりつける。
・5,31秒 少し早めだが気にならなかった。

11番「てとゆび」3分

・持ち方、めくり方、特に気にならなかった。
・タイトルが聞き取りにくかったが、表題紙のところでしっかり読んだので良かった。
・指さしの多い本だと思っていたがあまりしなかった。
・科学の本なので、説明の部分を読まないと決めてあったのであれば、それはそれでいい。
・指さしをした方がいいところもあった。
・息つぎで気になるところがあった。計算して読んだ方がいい。
・安定していい声。
・3,47秒 もう少し切れよく、テンポよく。

12番「こすずめのぼうけん」8分

対象年齢の割には長い話。1ページの文章量も対象の割には多い。
これはストーリーテリングでも使えるほどの良くできた文章なので、
きちっと練習して息つぎするところも計算していれば3,4才でも十分理解でき楽しめる。
絵もバランスがとれている。
鳥のキャラクターイメージも声色を使わなくても、
年齢、性別、性格など自分の中でつかんでいれば自然とできる。
・そこら辺はできていた。
・つっかかるのだけ練習。
・声は落ち着いていて、聞き取りやすかった。
・8,00秒

13番「やまなしもぎ」9分

・持ち方、上向き、少し下向きが基本。
・声は落ち着いて読み慣れている。
・とても、ゆっくり 12,14秒。
もう少しテンポアップする。まのびしている。
・字とセリフはよく区別されてよかった。
・文章を自分で作っている?読み間違えている?
語りの質が変わったのでびっくりした。
ぐにゃぐにゃ→ぐしゃぐしゃ
気にしてください。

14番「ぼちぼちいこか」3分

・支える手が絵を隠しぎみ。
・声が弱めだったが、後半だんだんよく聞こえるようになった。
ニヤニヤ、クスクスで、読み手を選ぶ本。
・「間」をもう少し開ける。
・誰でも読める本ではないが、とても楽しく聞くことができたので、
もっと、練習してご自分のレパートリーに。
・この本の雰囲気にあっていた。

15番「あたしもびょうきになりたいな」5分

・持ち方、安定して高さもあり見やすかった。
・声は優しい声で、少し聞き取りにくいところもあったが全体としては良かった。
・読み間違えはそのまま読み進める。
主人公のエリザベスをどうとらえるかでお話の雰囲気がちがってくる。
こまっしゃくれなおしゃまな女の子ととるか、少しひかえめな不満を漏らす子ととるのか。
・ひかえめな女の子の方で読んだ?
・緊張がなかったらもう少し上手に読めたのでしょう。

16番「くんちゃんとにじ」7分

・持ち方、少し上向き。
・タイトルはしっかり読む。
3回、タイトルを読むところがあれば2回目を弱くするとメリハリがつく。
・最初から早口ぎみ。「間」がないので話が流れる感じがあった。
「間」を計算していれる。特にセリフと字の間。
くんちゃんが金を見つけるあたりからテンポアップしていくので最初から早いと追いつけない。
・「…ました。」が多い文なので、前の文を強く読むとかの工夫が必要。
・内容を理解すればどんどんいかない。自分で理解してお話が見えるようになれば
その流れに、後は身を任せる。
・「間」とか切るところは計算する。

まとめ

最終的には聞き手が読み手の存在を忘れてはなしの中に入り込む、そこが目標。
読み手を意識しないで聞き手が聞けるかが大事。
「上手」はほめ言葉ではない時もある。読み手が全面に出て「上手」と使う場合もある。

実践編を終えて

久しぶりにドキドキして、脳みそも細胞も活性化されて、若返った感じです。
友人2人と打ち上げランチしました。
一人は、3年連続養成講座の抽選に落ち、今回特別待遇処置での参加のNさん。
もう一人は、付属幼稚園の「絵本クラブ」の先輩、Yさん。彼女が教えてくれた本で(柳田邦男の『砂漠で見つけた1冊の絵本』)で
この世界が広がったのですから、このホームページのきっかけを作ってくれた方といっても過言ではありません。
戦友2人と私は、実践テスト(?)が終わりホッとして、その話で盛り上がります。
初日の14番目のNさん、1列目の私が身を乗り出して聞いていたのが、真剣さもわかったけど、緊張もしたと(笑)
ごめんなさい。
知らない話でもあったので、つい体が前にいってしまったようです。
そして、今日の一番バッターのYさん、一生懸命練習してきたんだそうです。
お子さんに読んでいるところをビデオに撮ってもらってのチェック。
幼稚園の「絵本クラブ」時代からのまじめなYさんを知る私はうなずいてしまいました。
で、島田、高瀬チェックの話になります。
Yさんはお子さんにも言われて、「語尾が流れる」ことには気をつけていたんだけど…と。
高瀬さん、恐るべし!!
そこら辺、しっかりチェック入れてきてます。
「前半は聞きやすかったので、たぶんご自分でも直されていらっしゃるのかなと…。」
私、分からなかったです。
その通りのこと、Yさん言ってました。
「始めは気をつけていたんだけど、後半、忘れちゃって。」
20年以上「読み聞かせ」をなさっているのですから、当たり前なんでしょうが、すごすぎる。
5番バッターの私も、ドキッの評をいただきました。
持ち方を褒めていただいたのですが、「形」からと思っていた私、Yさんじゃないけれど練習しました。
この養成講座で勉強を始めた当初から、「持ち方」の重要性は感じていました。
茶道しかり、華道の基礎活けしかり、スポーツのフォームしかり、どれも「形」が基本。
「形」は絶対にあなどってはいけないと思います。
メチャクチャに描いているように見える画家のデッサンを見て驚きます。
自由であっても、法則というものは、どんなものにもあると思います。
そう思う「形」を評価されてとても嬉しかったです。
もう一つ、ばれてる!!
「やりすぎがちで、読み手が全面に出てきやすい本だが、やりすぎず、全面に出すぎず
抑制をきかせていて良かった。」
抑制をきかせて読んでました!ばれてるじゃん!!です。
何もかも、お見通しなんですね。すごすぎる。

「めっきら、もっきらどおんどん」の最後。
「きみなら、おもいだせるかな。」
私は、この文に、違和感を感じていたので余計にどう読もうか悩みました。
敢えて、この文を入れたということは、聞き手の子どもに、お話の世界ではなく
現実の世界で、作者は聞いているんだと解釈しました。
で、この最後の文を読む時に、顔を聞き手に向けて読みました。
Nさん「やらない方が良かったよ。」
Yさんは、作者、長谷川摂子さんの講演会の時の貴重な話をしてくれました。
最初、長谷川さんはこの最後の文を書いてなかったんだそうです。でも、子どもたちと繋がりが欲しくて敢えて、この最後の文を書き込んだんだそうです。
そうだったんですね~やはり。
作者の思いを知るもう一つのエピソードも面白かったです。
長谷川さんも、こういう「読み聞かせ養成講座」に通って勉強をなさったそうなのですが、押さえて読むというのが、自分にあっていないと感じて、今は…なりきって読んでいるそうです。
というのを聞くと、この本に限っては、最後の一文は子どもの顔を見て聞いた方が作者の思いは伝えられると思います。
が、そこは今まで勉強した「読み聞かせ道」には反しているのかも知れません。
奥が深い「読み聞かせ」。

のこり2回です。

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