2007年11月22日

見えないものを見る

20071122hon.jpg最近、「ルリユールおじさん」以来、伊勢英子さんの絵本からエッセイから、一気に読みまくっている。
この透明感のある絵を描く作家さんの絵本は「1000の風 1000のチェロ」ぐらいで、あまり知らない。
どんな人なんだろう?
先日、ヤヤダダが在園中に絵本クラブの顧問としてお世話になった、M先生を訪ねた。
M先生は大学の先生でもあるのだが、アーティストでもあるため、見識がシャープ。
「伊勢さんね〜。すっかり絵本作家だね。本来画家なんだけどね。この絵本もそうだけどジャーナリスティックなんだよね。」
M先生曰く 人は、大いなる才能を持って突き進むタイプと自分の道を惑いながら歩むタイプがある。
伊勢さんは、後者だと。
なら、よけいに興味深い、私は。
 

柳田邦男さんとの講演・対談「見えないものを見る」 なんて本を見つけてビックリ!
ジャーナリストの中でも、体制に与しない数少ないジャーナリストとM先生も太鼓判、ノンフィクション好きの私もファンの柳田邦男さん。
柳田さんが、毎日新聞『「死の医学」への日記』の連載記事の挿絵を伊勢さんにお願いしたのだ。
その経緯は本を読み進めれば進む程、偶然ではなく、会うべくして会ったと、お二人の見えない絆を感じるものだった。
この仕事の必然性は、伊勢さんにも強く感じる。
この連載記事はガン死患者の生と死を柳田さんの取材の元、連載されていくものだった。
回も重ねた後半に近い頃、伊勢さんのお父様が、肺ガンの末期だということが分かり重なっていく。
生と死の問題を連載中に、まさに指呼の間で向き合うようになった伊勢さん。
必要があっての仕事だったようだ。
ジャーナリストとしての即物的な眼と、対極にある画家のイマジネーションの眼が、相反するものではなく、どこか繋がっているということを知る貴重な本だった。

投稿者 : 10:28 | トラックバック (0)

このエントリーのトラックバックURL

http://mommy-s.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/737