2008年11月04日

ウィリアム・スタイグ

20081104hon.jpgスタイグといえば、<King of Cartoons>と称された漫画家だった。
<漫画王>といわれるぐらいだから、彼の描く人物の表情は、ただならぬのだ。
(「くぎになったソロモン」のソロモンが家族には秘密を黙っておこうと食事中にニマッとしている顔とか、「いやだいやだのスピンキー」の怒っている顔とか、上げればきりがない。)
何回みても笑える!
スタイグ、いいなぁ〜!
微妙な目線から、登場人物の心情が、愛しい程伝わってくる。
フリーの漫画家時代を経て、60歳を過ぎてから児童文学に目を向けていったというスタイグ。
スタイグ自身に興味を持ってしまった。。。
 
スタイグは小さい頃、一番上の兄から笑顔としかめ面の描き方を先ず教わった。
それから、スタイグは四六時中お互いの表情を読んで、お互いが何を感じているか、あるいは感じたふりをしているかを見極めようとしたらしい。
こうして、スタイグを、スタイグとならしめていったのだ。
 

20081104hon2.jpgスタイグは、小さい頃から育んだ、あの観察眼で、絵描きとしての道を歩んでいく。
その<観察眼>は諸刃の剣になってしまったのか、彼自身をも苦しめてしまう。
過激な精神科医のウィリヘルム・ライヒとの交流は、初めは患者として始まったのだ。
だが、人生とは分からないものである。
彼との出会いは運命といえるものだったのだろう。
この出会いは、人間の内部を、深く知ることにもなり、スタイグの生き方にも、作品にも影響していった。
長編「ぬすまれた宝物(ほうもつ)」を読めば、えん罪という重いテーマを描き、スタイグが絵ばかりでなく、文才も併せ持つことを知る。
私にとってスタイグの描く作品は、読んだ後に、心のなか〜〜の方を、ジンワリ暖めるのだ。
その暖かさ何年たっても、消えないぬくもりなのだ。
ライヒとのエピソードを知れば、スタイグの描く登場人物の心の描写が、秀逸なのは当たり前だ。
その暖かさの向こう側には、<孤独>や<鎧をかぶった自己>を象徴している気がするのは私だけだろうか?
とは言っても、スタイグの作品は、みなどれも暖かく、<それでも、私は生を尊び生きていくのだ!>という彼のメッセージが聞こえてくる。
 

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