2006年07月19日

FOX キツネ

20060719fox.jpg先月の文庫の会で、予約していた絵本「キツネ」がやっと手元に届いた。
マーガレット・ワイルド/文
ロン・ブルックス/絵
寺岡たかし/訳
そして、原書と限りなく近い手書き文字担当はなんと川端誠さん。
今日の文庫の会でも裏話がでていたが、作者のワイルドさんが大阪で講演会をなさったときに、この日本の絵本が(川端さんの文字が)一番いいとおっしゃったんだそうだ。
ワイルドさんも、試行錯誤をして原書でも手書き文字を使っている。
しかも、雰囲気を出すため、あえて左手で。
そして、川端さんも右利きなのだが、左手で書いていたんだそう。
驚きの偶然の一致。
絵もすばらしい油彩。
スクラッチ(ひっかき)の技法がキツネのささくれだった心を表すようで、効いている。
改めて今日読んでみたが、胸が押しつぶされるほどのキツネの孤独を感じて、手放しで子どもには読めない。
片目の見えない犬と飛べないカササギ。
そして2人?の仲を妬む、キツネの三角関係の話。
キツネがカササギをだまして連れ出すのだが。。。
てっきり食べてしまうのかと思うのだが、そうではない。
そうでないところに、背中に氷を入れられたような、カミソリの刃をひいたような感覚が走る。
内容も、絵も、文字にも意志を感じて、しばし、言葉を失う。
この絵本にサインは入れられない。
川端誠さんのサインを(申し訳ないのだが)お断りした。


投稿者 : 21:15 | トラックバック (0)

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