2008年01月10日

イエラ・マリ

20080110hon.jpg図書館の絵本コーナーに行くたびに、手に取って見入ってしまう絵本がある。
イエラ・マリの「木のうた」。
たった1本の木の四季折々の姿、そしてそこを住み家とする、鳥や小動物の息遣い。
この絵本を開く度、この場所に引き寄せられる私。
木になるわけでもなく、鳥や動物になるわけでもないのだが、どこかの高見から(まるで神の目のように)季節の移り変わりや命を愛でるのだ。
そして、繰り返される大自然のらせんのリズム。
ため息とともに、本を閉じる。
借りればいいのにといつも思うのだが、そこで私の心は満足してしまって借りる事はなかった。
が、去年の暮れの 借り仕舞いの時に、イエラ・マリの他の本と共に、やっと我が家に来てもらった。
 

「にわとりとたまご」は、デザイナーのご主人エンツォ・マリとの共作。
エンツォ・マリといえば、MoMAのデザインコレクションに数多く彼の作品が収められている程の巨匠。
この絵本の、ローポジションが、2人の非凡さを物語る。
ページをめくる度、食い入るように見るヤヤダダ。
テキストが無いため、1ページ1ページに、言葉を入れるのは子どもたち。
にわとりの足がクローズアップされ、話が続くのでてっきり表紙の足も、この母にわとりの足だとばかり思い込んでいた。
「お母さん!この表紙は、大きくなったひよこだね。」ってヤヤ。
ん?ほんとだ〜!
黄色い羽が混ざっているね。
観察力のなさを、またまた露呈した母である。
こんなことがあっても、このイエラ・マリの絵本を「知育絵本」と呼ぶのは、好きじゃない。
「知育」なんて言わず、子どもも大人も、心の目で見て楽しんで欲しい。
ほんとうに、子どもに媚びない本物の絵本だということに、誰でも気が付く。

投稿者 : 10:55 | トラックバック (0)

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