2008年04月10日

クラバート

20080410hon.jpg作者のプロイスラーさんは「大どろぼうホッツェンプロッツ」の方がお馴染みかも知れない。
私もそうで、同じ作者だということは、読み始めてから気がついた。
「クラバート」は魔法が出てきて、主人公の男の子が、葛藤しながら成長していくという勧善懲悪のお話。
だが、よくある魔法だけを中心に据えているのではない。
どちらかというと、ドイツのお国柄か、職人の徒弟制度の方が、バックグランドとしてカギになっている。
この話が、宮崎駿さんの「千と千尋の神隠し」に影響を与えているのはうなずける。
(親方にしごかれるクラバートと、湯ばあばにしごかれる千とが かぶる)
<暗い>のだが、<ダーク>ではないこの話の世界観。
とても惹かれるのは、プロイスラーさんが、幼少の頃に読んだ、ドイツ伝説集の中の「ラウジッツ地方の伝説」がベースになっているのがその理由だろうか?
 

プロイスラーさんはこの物語を、半分書いたところでゆきずまってしまったのだそうだ。
「クラバート」は失敗に終わったと思ったのだそうだ。
そして10年後、思い入れのあるこの物語を手放すことが出来ず、もう一度歴史背景から職人の生活から魔法の話などを徹底的に調べ上げて、完成させたのだ。
そのせいか、本来の伝説とは離れた、プロイスラーさん自信の解釈で進められる後半の部分は、より魅力的に仕上がっている。
一度は筆をおいた「クラバート」。
その間に気分を変えるために?書いた愉快な話「大どろぼうホッツェンプロッツ」。
これは、この本が好きなヤヤダダには、ラッキーなことだった。
そして私は、「クラバート」を仕上げてくれて、プロイスラーさん、ありがとうって感じだ。(*^_^*)

「クラバート」は30年前にチェコのアニメ作家カレル・ゼマンによって映画化されて、原作により忠実に出来上がっているらしい。
そして、読後 偶然見つけた、今ドイツで、実写映画化中の公式サイト。
お〜〜〜雰囲気、いいんじゃない?!
ドイツ語分からなくても、出来上がったら見てみた〜〜〜い!!
 
クラバート実写版 ドイツ 公式サイト
 
翻訳サイト  Google 翻訳

投稿者 : 12:58 | トラックバック (0)

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