2008年04月12日

時計はとまらない

20080412hon.jpgライラシリーズの作者、フィリップ・ブルマンさんの本を2冊読んだ。
一冊は「ぼく、ネズミだったの!」
<もう一つのシンデレラ物語>という副題がついているのだが、それもそのはず、シンデレラをお城にとどけた小姓の、その後の話なのだ。
パロディや話の続きモノでは、元主人公はそのまま主人公なのだが、ブルマンさんのこの話は、チョー脇役のネズミ君を大抜擢!
そのあたりに、スポットを当てるところがブルマンさんらしい。
この本の中に出てくる、政治家のずるさやゴシップ新聞のデマ記事に、フィリップさんのシニカルさを感じるのは私だけではないでしょう。
ライラシリーズでは、タブーとされる宗教観を織り込んでますものね。
 

もう一冊は「時計はとまらない」という本。
この本のプロローグはこれから始まる不思議な話をいやが上にも盛り上げている。
いったんねじを巻いたら最後、墓場への道は誰にも止めることはできない。。。
時計の音とともに物語は展開していく。
登場人物の中に、作家がでてくるのだが、このセリフはブルマンさんの独白かっ!
「なんとかでっちあげるのさ、もちろん。前にもやったことがある。よくやるんだよ。スリルがあるじゃないか。結末はわからないまま、とにかく話しはじめて、そこまできたら、その場でストーリーをひねりだす。場合によっちゃ、最初に書いておくより、ずっとうまくいくんだ。この話だって、ぜったいそうなるって思っていた。でも、ドアがあいて、あの男が入ってきたら、パニックになって。。。ああ、あんなのやらなきゃ、よかった!もう物語なんて、二度とつくるもんか!」
この場面は、みんなに自分の書いた奇怪な話をしている時に、その話に書いた登場人物が実際に現れたことをいっているのだ。
きゃ〜〜〜〜!怖い!ほんとに総毛立ち!
もっと怖いのは、王子の父親の大公殿下が、見開いた目を前に向けたまま死んでいるのだが、手綱を切っても、手だけは上に下に動いているのだ。きゃ〜〜〜〜〜!
何でかって、本、読んでください。(ヤヤは絶対読まないって言ってます。)(笑)

投稿者 : 18:43 | トラックバック (0)

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