2008年09月29日

泉鏡花 

200800929hon.jpgこの頃の、私ブームが「泉鏡花」なのだが、きっかけは、「梨木香歩」。
梨木香歩さんの<蟹塚縁起>という絵本を読んで、お〜そう言えば梨木香歩さんって、静寂という言葉の似合う、私好みの作家さんだったということを思い出した。
<家守綺譚>を読んだ時は、同じ年ぐらいの作家さんなのに、なんて綺麗な日本語を知っていらっしゃるのかと感動した。
読書会でも、その通りの感想を述べたっけ。
その読書会で年配のお二人の方が、このような文体は昔の作家さんの書き方ね とかおっしゃっていたのが、心に残っていた。
この作品に感動した理由の一つが、美しい日本語に酔ってしまったというのなら、昔の作家さんたちの、作品を読んで味わってみる価値はあるのかな〜と思った。
で、泉鏡花なのだ。
 

昔表記のまま、ふりがな無しは結構苦労した。
蝙蝠なんて漢字、今ちょうど、観察して注目しているから読めたよ〜!のこうもり!!
でも、読めない!分からない!も良しとして、ペーパーバックを読むのと同じように、全体を味わっていけば、なんと心地よい日本語!
これかぁ〜、梨木香歩さんも模した 心惹かれる日本の心、日本語のリズム。。。
「故きを温ねて新しきを知る」という感じでしょうか?
「照葉狂言」「高野聖」「絲遊」「眉かくしの霊」「絵本の春」「貝の穴に河童の居る事」。
読めば読むほど、こちらの世界に入り込んでいってしまう、不思議な感覚。
知らない日本語を知ることも多い。
タイトルになっている絲遊(いとゆう)とは、陽炎(かげろう)の異名で、はかない物のたとえに使うらしいし、今で言う読み聞かせの事を絵解(えとき)なんて言うらしい。
へぇ〜。なんか新しい世界が広がるみたいで楽しい!!
ん?なんかよしもとばななさんにもこの雰囲気があったなぁ〜なんて思っていたら、泉鏡花文学賞なんてのを受賞なさっていた。
知らなかった。。。
私の中で、今「泉鏡花」はグッと近い人になっている。

投稿者 : 10:16 | トラックバック (0)

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