2008年01月22日

タンタンとアルファアート

20080122hon.jpg以前のブログでも取り上げた「タンタンの冒険旅行」。
憶えていらっしゃるだろうか、去年はエルジュ生誕100年の記念すべき年だったのだ。
その年に意図してなのか、坦々(たんたん)と最後の2冊が同時刊行され、全24冊、完結。
終わっちゃたのね〜。
最後のこの本「タンタンとアルファアート」は、未完の作品。
エルジュさん自身のラフスケッチや鉛筆デッサン、ストーリーの下書きなどを編集している。
あまりにもマニアックでヤヤダダにはちょっと難しいかな?と思っていたが、何のことは無い、2人とも手にした途端に食い入るように見ている。
今まで見てきたタンタンの、まぁ〜言わばメイキングですから、色が付いていなかろうが、字が分からなかろうが、そんなの関係ない!って。
 

エルジュさんの息遣いが、完成する時には消されてしまうのであろう線の1本1本から、話がこれからどう展開するのか作者自身も分からない、試行錯誤や緊張感が伝わってくる。
「おかあさ〜ん!!凄いところで終わってるよ〜。」とヤヤ。
ほんとに、映画だったら一番の見せ場で終わってしまっている。
この本は賛否両論あるようだが、画家の生前使っていたパレットを見てドキドキする感受性を持っていらっしゃる方には、気に入っていただけるのでは。
この、タンタンシリーズは、新聞のコミックが出発だっただけに、時代風潮が読み取れる。
去年問題になった「タンタンのコンゴ探検」もその時代の有様を知ることが出来た。
「タンタンとアルファアート」の中に出てくるエンダディン・アカスは実在の詐欺師フェルナン・ルグロらしい。
前作の「タンタンとピカロたち」のアルカサル将軍は、なんとカストロ議長とかチェ・ゲバラをモデルにしているらしい。
だからといって、ゲリラ側に味方した視点ではないところが、エルジュさんらしく、政治色は淡々(たんたん)と書き上げていた。
そうそう、一番お薦めは「タンタンとアルファアート」の裏表紙。
全24冊が一堂に会しています!!楽し!!

投稿者 : 19:00 | トラックバック (0)

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